Ilja Srubarの著作
【人物】
1946年、テプリッツ(チェコスロヴァキア)生まれ。プラハにてコシーク、マコヴェックのもとに学び、フランクフルトで学位取得。現象学への関心をもって、社会的現実の時間構造とその相互主観的構成との連関を扱い、教授資格を取得(Glauben und Zeit. Über die Begründung der Metaentwürfe der sozialen Welt in der Struktur der sozialen Zeit, 1975)。1974年以後コンスタンツ大学社会学部門で教職についており[→エアランゲン=ニュルンベルク大学へ]、現在、フッサール、マルクス、ヴェーバーを顧慮しつつ、シュッツの現象学的社会学をさらに発展させようとしている。(『現象学とマルクス主義I 生活世界と実践』(1982)より)
※補足:現在はシュッツに関する思想史的研究、理論的研究で有名。1988年に書かれた主著(Kosmion)では、シュッツを「プラグマティックな生活世界理論」として読んでいる。社会的現実の生成・構築に強い関心を持っているように思われる。
【単著】
Kultur und Semantik (2009)
- 作者: Ilja Srubar
- 出版社/メーカー: VS Verlag fuer Sozialwissenschaften
- 発売日: 2009/10/14
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Phänomenologie und soziologische Theorie (2007)
Phaenomenologie und soziologische Theorie: Aufsaetze zur pragmatischen Lebensweltheorie
- 作者: Ilja Srubar
- 出版社/メーカー: VS Verlag fuer Sozialwissenschaften
- 発売日: 2012/11/24
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Kosmion. Die Genese der pragmatischen Lebenswelttheorie von Alfred Schütz und ihr anthropologischer Hindergrund (1988)
【編集】
Exil, Wissenschaft, Identität - Die Emigration deutscher Sozialwissenschaftler 1933–1945 (1988)
http://www.suhrkamp.de/buecher/exil_wissenschaft_identitaet-mara_luckmann_28302.html
Phänomenologie und soziale Wirklichkeit (2003)
【論文】
・The Pragmatic Theory of the Life-World as a Basis for Intercultural Comparisons (2005) in: Explorations of the Life-World
・Pragmatic Theory of the Life-World and Hermeneutics of the Social Sciences (2014) in: Schutzian Phenomenology and Hermeneutic Traditions
・Art as a Paradoxical Form of Communication (2014) in: The Interrelation of Phenomenology, Social Sciences and the Arts
・Phenomenological Analysis and its Contemporary Significance (1998), Human Studies 21 (=榎本環訳「現象学的分析とその今日的意義」『文化と社会』Vol.1)
・On the Origin of 'Phenomenological' Sociology (1984), Human Studies 7.
・「マルクスにおける社会的生活=世界」(1977?)『現象学とマルクス主義I 生活世界と実践』
文献など(一般書含む)
【フランクフルト学派関連】
The Frankfurt School: Its History, Theories, and Political Significance
学派史の定番とのこと。
The Frankfurt School: Its History, Theory and Political Significance
- 作者: Rolf Wiggershaus
- 出版社/メーカー: Polity
- 発売日: 1995/07/05
- メディア: ペーパーバック
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イデオロギーとしての技術と科学
「労働と相互行為」という問題
- 作者: ユルゲンハーバーマス,J¨urgen Habermas,長谷川宏
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2000/10
- メディア: 文庫
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【現象学など】
Sinn und Relevanz: Individuum, Interaktion und gemeinsame Welt als Dimensionen eines sozialen Zusammenhangs
著者はベルリン自由大学出身で、シュッツと西田の哲学をやっているという情報を立ち話で聞いた。
戦後思想の一断面:哲学者廣松渉の軌跡
【その他】
近代日本と「高等遊民」―社会問題化する知識青年層
高等遊民への数々の就職支援が失敗していく様子を記述しているらしい。
相対論の意味
これを読んだら一般相対性理論がわかるようになるのか。(反語)
天皇と東大
存在から発展へ 物理科学における時間と多様性
(原題:From Being to Becoming)
現代議会主義の精神史的状況
Schutz Circle
The International Alfred Schutz Circle for Phenomenology and Interpretive Social Science
http://www.schutzcircle.org
2016年の学会は早稲田大学にて。
締め切りは10月15日です。
文献
フライヤーとヴィーゼに関する本
- 作者: Helene Kleine
- 出版社/メーカー: VS Verlag fuer Sozialwissenschaften
- 発売日: 1989/01/01
- メディア: ペーパーバック
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フーコーの主体化論
・M.フーコーにおける《主体化》の主題
http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/handle/11094/10768
・後期フーコー:権力から主体へ
ビオスとは、現実の経験の諸様態、すなわち世界の現出の諸様態として規定される。他方テクネーは、ビオスをエートス(倫理・行為の様態)へと転換する媒体ないしは蝶番である。このテクネーとビオス、あるいは経験と訓練の二重体こそが、制度における主体の変容の可能性の場を指し示す。(15-16)
『監獄の誕生』についてのフーコー自身のコメント「権力の自動性、権力がそこに体現される装置の機械的性格などは、断じてこの本のテーゼ(中略)ではない。そうではなく、このような権力が可能で、望ましいだろうというのは18世紀の[=ベンサム自身の]考え方であり、…」(26)
『監獄の誕生』の読者は、このテクノロジーがどのように「従順な身体」「従順な精神」そして「従順な社会」を作り出していったかに注目してしまう。この従属化=主体化(assujettissement)を背後から操っているのが、規律=訓練(discipline)というひとつの支配的なイデオロギーであるというわけである。(28)
規律権力が身体を機械化する、というテーゼはフーコーのものではないのだ。(…)行為する身体が機械へと生成し、機械が身体化するような接触面においてこそ、権力は介入し、両者を経済的・政治的に合理的な諸関係に組み込んでいくのである。したがってフーコーが主題化しようとしているのは、テクノロジーによって媒介されながら行為する身体である。(30)
権力が行為主体に働きかけることができるのは、それが「ある可能性の領野」を開くことによってである。(…)権力(=能力、「可能であること」)(pouvoir)の行使は、ある歴史的・制度的・技術的な条件において、可能であったり不可能であったりする行為を規定するような「領野」を切り開くような作用である。(33)
→「可能性の領野(champ)」という表現はメルロポンティの現象学を想起させる。(フッサールの地平概念を引き継いで)(34)
現象学的な領野の記述を外から批判するのではなく、この記述をまさに可能にするような限界地点に立つことで、現象学的な主体を脱中心化すると同時に、そこに主体の変容の場を探るのである。(35)
Reading Listの文献
iPhoneでポチっとメモしてそれきりだと忘却してしまう。
『 ネオ・プラグマティズムとは何か』
マーフィー『プラグマティズム入門』
- 作者: ジョンマーフィー,リチャードローティ,John P. Murphy,Richard Rorty,高頭直樹
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 単行本
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"Reflexivity of Actors Versus Reflexivity of Accounts"
Theory, Culture & Society November 1994 11: 161-168
http://tcs.sagepub.com/content/11/4/161.refs
内容はタイトルの通り。
寺前典子(2015)「音楽のコミュニケーションに関する現象学的・社会学的研究」(博士論文)
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO10005001-20144147-0003
田中義久 『コミュニケーション理論史研究』
分厚い本でしかも上下巻。上巻が2000年、下巻が2014年となっているのはどういうことなのか?
コミュニケーション理論史研究(下): 記号論からコミュニケーション行為の地平へ
- 作者: 田中義久
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2014/08/31
- メディア: 単行本
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あと、文献ではないが先輩のブログが発見された。
科学論の文献
現代思想のコラムで登場。
『現代物理学にとって実在とは何か』
『ヒトラーの科学者たち』
研究書というよりノンフィクション?
文献メモ
田邊浩先生の著作。ギデンズの構造化理論の批判的検討および時間論を中心に
http://www.h-tanabe.net/works.php
岩崎武雄『カント』
某氏が「三批判書のエッセンスがコンパクトに説明されてる印象」とのコメント。
バスカー『弁証法』
現代思想の新刊案内で見かけた。
『カール・ポランニーの経済学入門』
ツイッターの哲学書新刊情報に掲載。
カール・ポランニーの経済学入門: ポスト新自由主義時代の思想 (平凡社新書)
- 作者: 若森みどり
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2015/08/13
- メディア: 新書
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近代デジタルライブラリー 国家構造論
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1267965
【社会学史研究と理論研究】
Gary Alan Fine and Sherryl Kleinman (1986)
Interpreting the sociological classics: can there be a “true” meaning of Mead?
Symbolic Interaction 9(1), 129-146.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1525/si.1986.9.1.129/abstract
(※オンライン閲覧不可)
バターフィールド 『ウィッグ史観批判』
Jonesの論文で言及。現在中心的に過去を再構成し「過去は現在の起源である」とする考え方の危険性を論じる。
Robert Alun Jones "The New History of Sociology"
Annual Review of Sociology Vol. 9 (1983), pp. 447-469
http://www.jstor.org/stable/2946074?seq=1#page_scan_tab_contents
Margaret Archer on her relationship with Pierre Bourdieu and his work
中村和生 博士論文
ポスト分析的エスノメソドロジーの展望と展開―科学実践の理解可能性の探究―
http://repository.meijigakuin.ac.jp/dspace/handle/10723/2289